理事長所信

鹿児島JC 2014年度スローガン「心をひとつに」

このまちにはどれだけの情熱と知恵、努力が詰まっているのだろう。

私が城山から鹿児島市内を一望する時、いつも思うことです。日本が先の大戦に敗れたのは69年前。故郷鹿児島も荒廃し、今に生きる私たちには想像もつかないほどの困難の中にあったはずです。そんな戦後間もない60年前に、明日の日本、そして鹿児島の未来を憂い、立ち上がった志高き青年たちの集団が、鹿児島青年会議所なのです。そして戦後復興を果たした後も、地域の更なる発展と人々の幸せを願い、その時々の時代に即した力強い歩みを進めてまいりました。そして、過去からつながる青年の運動は今、私たちに託されています。私たちが描く将来の夢、そして青年らしい柔軟で斬新な発想と今という時間に積み重ねる情熱に満ちた行動が、未来の鹿児島、更には日本を明るく照らすと信じてやみません。

「続けなさい。必ず自分の力になる。」
今は亡き母が、幼少の私に度々かけた言葉です。今も、私の胸に深く刻み込まれています。青年期に生きる尊さを噛みしめ、私たちは、どんなに苦しくても、困難が立ちはだかろうとも、輝く未来に向け、諦めることなく歩み続けようではありませんか。

【誇りあるJAYCEEによる信頼と説得力ある行動】

私たち一人ひとりは特別な存在ではありません。しかし、一人の力は小さくとも私たちが心をひとつに力を合わせることで地域に対してより良い変化を生み出せるのが私たちJAYCEEです。そして、まちに対する当事者意識を持ち、理想を高く掲げ勇気をもって行動する誇りあるものであるべきです。さらに、様々な役割を通じ多くの経験を積み重ね、私たちは自らを成長させることが出来ます。主体性を持ってJC運動に参画する。そこには自らを変革し、個性を磨く機会があります。そして互いに喜びも苦労も分かち合い、心がひとつになったとき、個性の輝く強い組織は確立され、信頼と説得力のある運動が展開出来るのです。

【色彩豊かな鹿児島~特色とバランスをもった自立した地域】

この鹿児島は、九州最南端にあたり黒潮の恩恵を受けながら、独自の歩みを進めてきた地域です。歴史を繙くと平安以前の伝記にも記されているほど古くから特色ある県民性を持ち、江戸時代には南方との盛んな交流を積み重ねてきました。また留学生を派遣し学問や技術を修め、時代を先取りした様々なことに対し果敢に挑戦したことによって、時代を築いた偉人を多く輩出してきた地域でもあります。つまり、鹿児島は風土上、様々なつながりをもち、その時代毎でつながりを活かし多くの価値を取り入れてきた地域なのです。多様性があるということは素晴らしい財産です。多様性があるからこそ、新しい価値が生まれ育まれていきます。我々が住む鹿児島は地域として自立できるポテンシャルを持っており、それは歴史・文化を持っていること、人材育成のための精神性が残る地域であることに因ります。そして特色ある魅力を持ち、魅力によってひとが集まるまちをつくっていくことで、経済を活性化させなければならないのです。地域の自立が真に問われる今、依存型の精神性から脱却し、ひととまちの個性に彩られ、自立的に発展し続ける色鮮やかな地域をつくり、郷土に誇りを持つひとが溢れる色彩豊かな鹿児島の創造へとつなげてまいります。

【世界に誇れる鹿児島実現に向けて】

鹿児島の国際化をより進展させ、私たちが描いた「世界に誇れる鹿児島」というビジョンを具現化するためには、世界に誇れるものを確立する必要があります。つまり、私たちがまちに潜在する可能性を切り拓くとともに知恵を絞って見出し、さらには世界中の国や地域へつながりを拡げていかなくてはなりません。昨年35周年を迎えた利川青年会議所との交流は、鹿児島における民間外交の一翼を担っています。異なる文化や価値観を理解し、互いに尊重できる関係性を今後も継承するとともに、新しいつながりも模索し、地域のネットワークを広げていかなくてはなりません。鹿児島の立地は日本から見ると偏狭ですが、アジアから俯瞰するとその立地は一転して有利となります。今後、鹿児島JCはアジアの近隣諸国と相互発展するとともに世界の平和と繁栄に寄与すべく2018年度のJCI ASPACを誘致にのりだします。本年はJCI ASPACが国内で5年ぶりとなる山形の地で開催されます。そこで、山形大会に参画するとともに情熱や思い、開催に至る背景となるものを共有させて頂き、実施までの道を示します。さらに誘致から実施までの期間の中で、私たちは世界に誇れるものを伝えられるようにしなければなりません。2018年は明治維新から150周年を迎える年であり、鹿児島から世界に薩摩の伝統に裏打ちされた有形無形の潜在する可能性を発信する機会を模索します。

【つながりを活かしたまちづくり】

鹿児島JCが誕生して60年目を迎えました。これまで多くの方々が知恵を絞り、情熱を注いで様々な運動を行い、官公庁、各種企業、団体など多くのつながりをつくってきました。その中でも桜島・錦江湾横断遠泳大会は鹿児島JCが、2005年より様々な団体を巻き込み実行委員会として深く関わりをもっています。今後は更に多くの人々が関わることを目指し、未来の錦江湾の姿を共に描き行動していきます。そして、JCが主体的に関わりを持ち始めてから10年目の節目を迎えることから、これまでの大会運営の検証を行っていくとともに、実行委員会が新しい取り組みを行っていくビジョンを持つ機会をつくります。また、私たちの関わるおぎおんさぁ一番神輿は、歴史ある鹿児島の神聖な伝統文化であり後世へと引き継がなくてはならないものです。近年、様々な団体と手を取り合うことで、祭りの盛り上がりは年々向上してきているように感じられます。今後更に、市民が一体となった活気ある祭りをつくっていくとともに、神事としてのおぎおんさぁの保存に努めていかなければなりません。2008年から取り組んできた鹿児島市の無形民俗文化財に対する取り組みは、2012年足かけ5年目にして認証を得ることが出来ました。今後も県・国へと取り組むステージを広げ鹿児島の誇りある文化として魅力を磨き上げていきます。

【60周年を迎える鹿児島JC】

鹿児島JCは、これまで積み重ねてきたすべての方々の努力の結晶により60周年を迎えます。その時々において取り組む内容は違えども、変わらないのは常に鹿児島のまちのため、そしてそこに住み暮らすひとのため運動を行ってきたことです。60周年は、これまで鹿児島JCを支えて下さったすべての皆さまへ感謝を伝える節目とし、鹿児島JCの歩みについて検証する機会と致します。そして、新たに一歩を踏み出す機会と捉え鹿児島JCが培ってきたつながりの一つひとつを繙き、運動体としてのJCをつなげていきます。社会奉仕活動から始まった鹿児島JCの運動が時代と共に変化し、鹿児島JC自体の立ち位置も大きく変わってきました。次の節目となる65周年、70周年において鹿児島JCの歩みを検証していくためにも、政策的に運動を発信し、社会の負託に応えられる組織を目指していかなければなりません。過去から未来をつなぐ架け橋として、変わらない創始の志を学び、JCの可能性を再確認し大きな夢を描く60周年と致します。

【鹿児島特有の郷育(きょういく)】

現在の子供たちの置かれている状況は、非常に多くの問題と課題を掲げています。家庭教育においては、ライフスタイルの変化によって価値観が多様化し、習い事や塾なども多岐にわたり「選べる教育」が主流となっています。しかしながら、躾については課題が多く、親のモラル低下も指摘されています。学校教育のあり方、教員の立ち位置も変わる中、道徳心の育まれていない子供や夢を描けず自主性が乏しい子供も増えてきています。また、兄弟姉妹が少ない傾向は続き、世代間で伝えるべきことが伝わりにくいなどの問題も浮上しております。その中、地域教育が果たすべき役割は非常に大きく、家庭や学校を補い合い、バランスを持って教育に挑まなければなりません。しっかりと成長していく子供を見つめ、共に手を携えながら子供たちを育成していく必要があります。子供が学びへの姿勢を育む環境をつくるとともに、私たちと同じように30年後、40年後の未来、地域教育を伝えていくことを見据え、情操教育、道徳心を育むなどの徳育と合わせて、鹿児島の歴史や日本の歴史を繙いた、現代版郷中教育を行ってまいります。

【帰属意識醸成とコミュニティ推進】

鹿児島、そして日本の抱える大きな問題の一つに少子化問題、高齢化社会、人口減少が挙げられます。しかし、世界的には人口が増え続け、食糧危機や水不足などが不安視されています。本来、民主主義においては多数派の意見が重要視され、日本としては生産人口の減のみならず、将来民族的な危機を迎える不安さえ予想されます。その中、当事者の私たちは個人の幸福ばかり追求し、企業や地域、国といった公への意識は希薄化しています。個性が多様的であることは素晴らしいことです。しかし、その反面私たちは企業や地域に帰属し、それらによって私たちの幸せを見出すことが出来るのも事実です。だからこそ、共同体としてのコミュニティを大切にし、個と公のバランスをうまく図っていかなければならないものであると考えます。今後起こると見込まれている南海トラフ大地震などの災害では、大きな被害も予想されています。その問題に対し、私たち一人ひとりが自らを守り、その上で手を差し伸べ身近なものを守れる助け合いの精神を養っていきます。そして、共助の精神で地域間において助け合って解決していくために、防災ネットワークを構築し、故郷の未来やかけがえのない人を守りゆく鹿児島を実現させていきます。

【全国のネットワークと組織のあり方】

私たちが住み暮らす鹿児島の抱える問題や課題は、その地域だけでは解決が難しいものもあります。しかし私たちが持つネットワークは広く、大きな枠組みと地域同士のつながりという視点に立って問題を捉えることで、原因となる本質を見定め、解決へと導くことが出来ることも多くあります。つまり私たち鹿児島JCがあるべき立ち位置を常に考え、協働出来る組織を目指し、共に問題解決に挑んでいかなければならないこともあるのです。2014年度は、九州地区協議会に会長を輩出し、私たちのスポンサーでもある宮崎JCより副会頭も輩出されます。また、ブロック協議会会長は私たち鹿児島JCがスポンサーとなった串木野JCより輩出され、そしてブロック大会は屋久島JC主管のもと開催が決定しています。つまり、今こそ強いつながりをつくるチャンスとなるのです。JAYCEEとしても出向を通してそれぞれの組織に参画することで多くの学びを得ることが出来ます。外に目を向ける、そこには大きなチャンスと大きなつながりが待っています。だからこそ、一人ひとりのJC観を磨くために全員出向を目指し、鹿児島JCの力を高めたいと考えます。

鹿児島JCは、2012年度より公益社団法人格へと移行しました。しかし、運用に関して更に検討を重ねなければならない部分もあります。これまでの運用した実績をもとに「公益」の定義周知を図るとともに、理事会運営におけるフォーマットの検証や提出するスケジュールを明確にし、今後の組織運営に必要となる形を模索します。さらに組織としての友情を活かし、日本JCや他LOMフォーマットとの照らし合わせと検証を繰り返し、必要に応じ規約の設置または変更についても建設的に検討を重ねていかなくてはなりません。また、広報運営については、現状でも多くの課題を残しています。公益法人であること、そして運動を行う団体であることへの理解を深め、運動発信の輪を広げていかなければなりません。

会員を拡大すること。これは、私たちが行っている運動や活動を直接伝え、仲間や協力者の輪を広げるという草の根的運動です。そして今後の鹿児島JCのあり方を考えると、会員を拡大するのはもちろん、志を受け継ぐ体質をつくっていかなくてはなりません。そのために、メンバーが自らの運動と活動について深く理解し、礼儀正しく能動的な姿を示していく必要があります。そして今一度、未来の鹿児島をつくる当事者意識を喚起し、主体性を持ったメンバーでなくてはならないのです。そして、運動をつくる私たちには市民の方々を巻き込む大胆さと激しさも必要です。明治維新の時代をはじめとする様々な偉人、そしてその一生にまつわる方々は大胆な選択をし、激しい人生を歩んでこられました。鹿児島JCも戦後復興を期に様々な決断をし、一日一日を真剣に歩まれたのだと想像します。リーダー的役割を担う。それだけの苦労も責任も伴うものであり、だからこそリーダーとしてさらに磨かれていくのです。メンバー一人ひとりが、自ら未来の鹿児島を形づくる意識をもち大胆さと激しさを持ったリーダーとなることで、説得力と信頼のある組織へとつながり、市民の方々の協力と参画のある運動を起こすことが出来ると信じています。

【むすびに】

私たちJAYCEEは創始の志を継承し、青年らしく柔軟で斬新な発想を活かして、今という時間を積み重ねる、情熱に満ちた行動をとらなければなりません。心をひとつに行動する私たちならすべてのことは必ず実現出来るのです。

私たちの手で時を重ねよう。次の世代がこのまちに積み重なった歴史に自信と誇りを感じて貰えるように。特色に彩られ発展していくまち、人々の幸せが鮮やかに彩る、色彩豊かな鹿児島の創造へと歩みを進めようではありませんか。

公益社団法人鹿児島青年会議所 第60代理事長 渡康嘉

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