理事長所信

鹿児島JC 2015年度スローガン「未来を拓け!」

鹿児島に青年会議所の灯が灯り61年。設立当初より時代は大きく変遷し、更に加速がつき、日々刻々と変化を繰り返す現代。私たちは愛する鹿児島とともに、より良い未来へと進んでいるのだろうか。昨年、鹿児島青年会議所は60周年という節目を迎え、過去から積み上げられてきた歴史を改めて振り返る機会をいただいた。設立当初からこれまで先輩方はもとより、多くの方々の思いを積み重ねて辿りついた61年目の本年度、新たなる黎明の時、全てへの感謝を込めて、より良い未来へと歩を進めよう。私は覚悟と希望を持って一歩を踏み出す。

【はじめに】

私がまだ小学生のころ、父から自らの名前について聞かされたことがあった。「お前の名前は、あらゆる困難を切り拓くことができるようにと願ってつけた。自分の手を見なさい。その手に全ての可能性と幸せが詰まっている。」常に忙しくしていた父と会話をすることは少なかったが、この父の言葉は私の心に強く刻み込まれている。

私は2007年に鹿児島青年会議所の門を叩いた。前年に鹿児島青年会議所主催の公開例会を新聞広告で知り、参加したことがきっかけであった。その公開例会でお招きした講師の講演にも感銘を受けたが、何より"青年会議所"という組織の可能性に惹かれた。この組織に入れば成長できるかもしれない。そう強く感じたことがきっかけとなり、先に入会されていた先輩を通じてJAYCEEの一員となった。

入会からこれまで、鹿児島はもとより出向先でも多くの方々に出会い様々なことを経験させていただいた。同期と支え合い辛い思いも乗り越えてきた。多くの仲間とともに泣き、笑いながら駆け抜けてきたこの数年間は、かけがえのない宝物として私の一部となり、今の私を作り上げてくれている。

青年会議所は40歳までという限られた時間の中で毎年、新しい英知を導入し創始の志を受け継ぎながら時代の先端を切り拓いてきた。明るい豊かな社会を創るために努力を惜しまず、どこかで誰かの役に立つことを信じて、自分自身に、地域社会に、時代に最良の変化を起こし続ける。それがJAYCEEである。そして今、その志と責任を受け継いでいるのは紛れもなく私たちである。過去の先人達から受け継いだ"今"、未来の子供達から預かっている"今"、永遠と続く時代の中にある"今"という一瞬を駆け抜ける我々であることを認識し、挑戦のために与えられた一年間という僅かな時間、全てに真摯に向き合い、大胆に行動し次の世代へと一分一秒を紡いでいきたい。より良い未来のために。

【いまここに在ることに、全てへの感謝】

アメリカの一人の青年と数名の仲間とののアイディアから始まった青年会議所の運動は、その灯が日本に灯された後、私たちの鹿児島にも灯され60年という節目の年を越え、本年度61年目を迎えさせていただいた。私たち鹿児島青年会議所は創始のときよりこれまで、一体どれほどの方々から支えられて、いまここに在るのだろうか。

初代理事長である春田陽三先輩をはじめチャーターメンバーの先輩方とそのご家族、スポンサーJCである宮崎青年会議所の先輩方、日本青年会議所の先輩方、当時の鹿児島行政関係各所の方々、この鹿児島青年会議所立ち上げの時にどれだけの方々がご尽力され、周囲の協力と理解を得て設立されたのだろうか。それから60年もの間、歴代理事長はじめメンバーとそのご家族や会社の社員、各地青年会議所のメンバー、多くの事業を開催する中で携わっていただいた市民。記録や記念誌に残っている方々以外にも本当に多くの支えがあったからこそ歴史が作られ、今の鹿児島青年会議所が在ることを私たちは決して忘れてはならない。

また、今の私たち自身を支えてくれている家族や親族、職場の職員や顧客や取引先、更にはこれまでお世話になった先輩・恩師・友人など、これまでも今この瞬間の自分自身も生かされて、青年会議所の活動を続けていられることを忘れてはならない。多くの先輩方、周囲の方々の努力と協力に報いるため、私たちの活動と私たちの運動で、より良い鹿児島の未来を描き、感謝を形として表すことが思いを託された私たちの責務である。

組織を作られてきた先輩と、それを支えた方々、そして自分を支えてくれている人たち、共に活動する同志、全ての人に感謝の心で接しよう。常に感謝を忘れず高い志を持ち行動することで自らを輝かせ、組織を耀かせ、このまちを世界で耀かせる希望の灯となろう。

【未来は私たちに委ねられている】

未来のことは誰にも分からないが、未来が誰の手に委ねられているかは分かる。私たちが積み重ねる一日一日、一分一秒が"未来"となっている。だからこそ私たちJAYCEEは明るい豊かな社会を創造するために、自らの意識を変え行動することで、人々の無関心を関心に、関心を意識に、意識を行動に変える運動を弛まなく続けているのである。過去から繋がる今、そして今から繋がる未来。先人達が積み重ねてこられた過去を、今、私たちが受け継いでいる。そして未来から預かっている"今"をより良い未来へとつなげることが私たちJAYCEEの務めである。

これまで鹿児島青年会議所は数々の事業を実施し、地域に足跡を残してきた。甲突川の千本桜事業は今や市民の花見の名所として保存され、毎年の開花の時期には観る人の心を豊かにしてくれている。私たちの先輩方が発信した事業が機会となり、市民の手に渡り地域で運用され、過去から繋がる未来である"今"も人々に良い影響を与えている。60年という節目を越えた本年度、今一度原点に立ち返り、改めて私たちの活動・運動を見つめ直したい。継続しているものは継続の必要性・意義・目的、前年度よりも更に良いものとなっているかを検証し、引き継ぐ必要があると判断したものは、より良い方向に引き継ぐ形を明確にしなければならない。JC運動の本質から考えれば"事業"という機会を地域へ提供し実績を残した後は地域で運用していただき、より良いものへと進化するよう自ら手を放すのが理想である。また、私たちは鹿児島のことばかりを考えていればよいわけではない。「シンクグローバリー・アクトローカリー」という言葉があるように鹿児島をより良くしようと思うからこそ、日本や世界に目を向けて行動しなければならない。

今、どれだけの人たちが、より良い鹿児島を創りたいと願っているのだろうか。今、どれだけの人たちが、より良い鹿児島を創るために行動しているのだろうか。きっと皆、自らが住む地域が少しでも良くなって欲しいと思ってはいるだろうが、何をどうすれば良くなるのかが分からず、行動を起こせないのではないだろうか。また、既に行動を起こしている人たちも其々の考えと範囲だけで活動をしているのではないだろうか。ならば私たちが、鹿児島をより良くするために多くの市民とともに鹿児島の未来について考える機会を作ろう。鹿児島青年会議所が中心となって、責任世代である鹿児島の青年を集め、鹿児島の青年による鹿児島のための事業を行おう。自らが地域の未来を担う当事者であり、自らが地域の経営者であるとの意識を高め、参加した全員が真剣に鹿児島の未来について考え、行動を起こす機会として、多くの市民と共に世界に誇れる鹿児島を描こう。

本年度は統一地方選挙が実施される。私たち一人ひとりが選ぶ地域の代表者が私たちの地域の未来を変えていく。しかし、この国の主権者は私たちであり、付託する代表者を選ぶことが私たちの権利であり意思表示である。地域の未来を左右する重要な機会にまずは、この重要性を広く周知し、選挙や政治に対する関心を高めたい。そして、政党ではなく政策本位による選択を行うべきであるとの意識を高め、選挙という重要な機会を通して、私たち一人ひとりが主権者であり、国や地域に対しての責任を担っているとの当事者意識を喚起したい。

私たちが住み暮らす鹿児島は世界でも特異な風土を持った土地であり、この特異な風土こそが鹿児島の魅力であり資産である。さらに鹿児島県として考えるならば様々な特色を持った離島が連なり、過去には離島や琉球を通した貿易も行われ、南の玄関口として様々な文化や文明が入ってきた。鹿児島には私たちがまだ知らない様々な魅力や可能性が、潜在的な財産として眠っている気がしてならない。市民とともに鹿児島についての知識と認識を深め、この財産を見つけたい。市民とともに鹿児島の財産を探すことが鹿児島に対する当事者意識を高め、市民が自ら見つけた財産は未来へ手渡す宝の一つになると確信する。

また、これまで鹿児島青年会議所は鹿児島の風土を活かした様々な事業に取り組み続けてきた。桜島・錦江湾横断遠泳大会への協力もその一つである。鹿児島の他に類を見ない自然の一つである錦江湾に全国各地より選手が集い、雄大な桜島を背に懸命に泳ぐ姿は見る者にも感動を与えてくれる素晴らしい大会である。今後は地域が主体となってより良い形で開催されるよう、本年度より準備を進めていきたい。

皆さんは「日本風景論」という書物を知っているだろうか。この書物は1894年(明治27年)、志賀重昂が日本の風土がいかに欧米に比べて優れているかを情熱的に綴り、日本人の景観意識を一変させ日本人に「国の姿」を伝えた書物であり、明治時代から第二次大戦まで版を重ね大ベストセラーとなったものである。そして昨年度、日本JCにおいて「新・日本風景論」という書物が発行された。私たちには日本人として大切にしなくてはならない歴史、伝統、文化や美しい精神性を知り、次の世代へと伝えていく責務がある。

私たちが住み暮らすこの鹿児島の未来を創るのは、私たち一人ひとりであるとの当事者意識を持ち、市民とともに地域の魅力や様々な可能性を探し磨き未来への宝として手渡すことで、県内外・国内外により多くの鹿児島のファンが増え、世界に誇れる鹿児島を描けると確信する。

【私たちは世界の一員である】

青年会議所の運動は当時23歳の一人の青年と数名の仲間とのアイディアから始まった。「よい青年をよりよい青年へ」「有能な学者をより有能な学者へ」「よい市民をよりよい市民へ」そのような思いで"友情・向上を目的とした一つの組織"として、最初の青年会議所が1915年、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスで設立されJC運動が始まった。そして本年度100周年を迎える。これまでの100年間、世界中で百万人以上の先人達が運動へ参画されてきた。国家元首をはじめ政界や財界のリーダーとしてご活躍された多くの先人が青年会議所で学び、時代の先端を切り拓いてこられた。この歴史は、恒久的な世界平和の実現という夢を信じて行動してきた大勢の人間が世界中にいるということの証明である。そして太平洋戦争後、JCには国境も民族も無く、世界中の全ての青年のものであるとの理念の基、当時敵国とも言われた日本の青年会議所が国際社会への復帰を果たした。その歴史と志は私たちが暮らす鹿児島にも伝わり、私たちに受け継がれている。また、私たちの郷土の先人においても、進取の精神を持って先駆けて海外からの文化や文明を取り入れ、郷土・自国の発展へとつなげた歴史を持っている。そのような歴史の延長線にありながら、果たして今の鹿児島は国際化が進んだまちだと自信を持って言えるだろうか。2018年には明治維新150周年を迎える。その時、先人から受け継いだ郷土をより良くしていると誇りを持って言えるためにも、JAYCEEとして、鹿児島の発展を願う市民として、進取の精神を持って国際化を進めよう。

私たち鹿児島青年会議所も世界の一員として、同じ志を持つ韓国の利川青年会議所と交流を始めて37年目となる。言語・文化・風習の違いこそあるがJCには国境も民族も無い。その共通理念に基づき国と国の関係を越えた交流を36年に亘り重ねて、信頼と友情を築いてきた。この歴史は民間外交の成果の一つの証でもあり、誇りを持って今後も交流を継続しよう。ただ、利川青年会議所とはこれまで青少年に対するホームステイ事業を行ってきたが、今後の国際社会を鑑みるに、更なる国際意識の向上を目指した運動を推進していく必要があると考える。近年JCIでは国連が提唱する国連ミレニアム開発目標(UN MDGs)に全面的に協力をしており本年度で最終年度を迎えるが、日本青年会議所においてもJCI NOTHING BUT NETキャンペーンの推進など様々な取り組みを行っている。日本青年会議所やJCIとのネットワークを活用した取り組みも取り入れて国際意識の向上を推進したい。これまで築いてきた利川青年会議所との歴史を礎に、新たな要素を重ね合わせ更なる地域の国際化に向けた運動をより強く発信しよう。

一昨年度より鹿児島青年会議所はJCIアジア太平洋地域会議(ASPAC)の開催誘致に向けて本格的に取り組み始め、昨年度の臨時総会にて正式に誘致を決定した。本年度は日本国内での誘致権獲得を目指した活動を積極的に展開するとともに、大会開催の二年前のJCI ASPACにて決定される国際誘致権の獲得を目指した運動・活動を国内外で展開しよう。また、併せて開催に向けた体制づくりを始めなければならない。

アジア各国・日本各地より多くのメンバーが集う貴重な国際会議を成功させることは当然ながら、鹿児島の更なる国際化やまちの発展へとつながる機会にしなければならない。そのことを見据えてシニアクラブ、行政・関係各所・他団体にも開催誘致の趣旨を伝え、開催に向けての協力を仰ぎ体制を整えていこう。

そして、鹿児島の更なる国際化に向けて、JCIにおけるアジア太平洋地域は当然ながら、他の地域、アメリカ地域、ヨーロッパ地域、アフリカ中東地域の活動にも目を向けて、JCI・日本青年会議所のネットワークをより活用した活動・運動を展開していこう。鹿児島も世界の中の一つの都市であり、大きな魅力と可能性を持ったまちであることを認識しよう。そして、私たち一人ひとりも国際社会を構成する一員であることを自覚し、青年会議所の持つネットワークと可能性を十分に活用して、世界に誇れる鹿児島を描こう。

【人こそ財である】

鹿児島が薩摩と呼ばれていた時代、「城をもって城とせず、人をもって城とする」という精神性を持っていた。また、南の玄関口として多くの異国の文化や文明が渡来し、ここから日本全土へと広がっていき、その中で偉人と呼ばれる私たち郷土の先人は強き信念を携え進取の精神を持って、より良き自国・郷土を、後世に生きる私たちに残すため、国内のみならず海外でも尽力されてきた。まさしく人こそ財。先人が命を賭して愛し残してくれたこの鹿児島・日本のことを私たちは、どれほど知ってどれほど愛せているのだろうか。今こそ自国・郷土のことを正しく知り、愛し、和の心で積極果敢に行動する人財の育成が必要である。

「神話を教えなくなった民族は100年続かない」と言ったのは歴史学者アーノルド・トインビーである。今の日本で、日本神話や神武天皇の建国から始まる日本国の歴史(国史)についてどこまで教えているのだろうか、歴史と考古学を混同して教えてはいないだろうか。日本国は万世一系世界最古の2674年の歴史を持つ誇りある自然国家である。2011年の東日本大震災直後、被災地の方々や支援する方々、総じて日本人の姿は世界から賞賛を受けた。私たち日本人が当然の如く出来ることを他国の人々は驚嘆するのである。その根本的な違いは民族としての歴史に基づいた価値観であろう。今こそ改めて私たちがどのような歴史・宗教観・道徳心を培ってきた民族であるのか、自らのルーツを認識する必要がある。また、海外旅行などした際、海外の方との会話で自国や郷土のことを聞かれた経験がある方は多いのではないだろうか。海外の方と国際交流として親睦を図る前に、他国が大切にしているものと自国が大切にしているものを認識し、話し合えるようになってこそ本当の理解が深まるのではないだろうか。海外の方と接する際、私たち一人ひとりが国の代表であり、郷土の代表である。私たちとの交流が日本や鹿児島についての印象に影響を与えるのである。

様々な問題・摩擦を含みながらも国際化が加速する社会の中で、鹿児島が世界に誇れる地域となるためには、自国・郷土のことを知り、他国との歴史や関係性を認識し、和の心で積極的に行動する人財の育成が必要である。

鹿児島青年会議所の先輩方が、鹿児島を元気にしたいとの純粋な思いから、鹿児島祇園祭一番神輿を15年の長い眠りから起こし、熱い思いを継承し続けて32年目。鹿児島祇園祭「おぎおんさぁ」は今や鹿児島市無形民俗文化財に指定され、夏の風物詩として市民に認知されてきた。まちを思う純粋な情熱と貴重な伝統文化に触れる機会をより多くの市民に広く提供し、郷土を愛する人を増やしたい。更には近隣青年会議所や昨年度、兄弟JCとなった中条青年会議所との交流も活性化させ、鹿児島との絆を深めたい。鹿児島を愛する人が増えることで、まち全体が活気付き、まちが活気付くことで人が集まり、集まった人がまたまちを作っていく。このサイクルを継続発展させることで国内外からの交流・定着人口が増え、「鹿児島」の魅力が広く世界に伝播していくと確信する。

また、人口約60万人を擁する鹿児島には青年会議所に所属しておらずとも、鹿児島を愛する多彩な人財が揃っており、それぞれに様々な立場でご活躍され、地域を盛り上げ社会に貢献されている方々がいる。そのような人財を発掘し、学ばせていただきながらも、JCI TOYPや日本JC人間力大賞のような褒賞をすることで、青年会議所と地域が一体となって、鹿児 島をより良く変革する人財を育成することにつなげたい。

そして、本年度は薩摩英国留学生が渡欧して150周年を迎える。この記念すべき年に偉人と呼ばれる私たちの先人の功績を改めて振り返るとともに、鹿児島・日本・世界の未来を真剣に考え行動する人を増やしたい。自国や郷土に対する認識と愛情を持ち、世界に羽ばたく行動力と和の心を兼ね備えた地域の財とよべる人を育成することで、より強く運動を推進してより大きく運動の輪が拡がることで、世界に誇れる鹿児島を描くことにつながると確信する。

【自らを輝かせ、他者を耀かすJAYCEEであれ】

皆さんが考える青年会議所の魅力とは何だろうか。私は青年会議所の最大の魅力は、"機会"だと考えている。それは個人の持つ可能性、組織が持つ可能性、地域や国が持つ可能性を引き出す機会を常に与え続けてくれるからである。鹿児島青年会議所での各役割において提供される様々な機会。日々の活動・運動を通じて提供される機会。出向先での様々な機会。私たちは青年会議所に所属していることで常に多種多様な機会を与えてもらっているのである。まずはそのことを再度しっかりと認識しなければならない。私たちの身の回りに起こる全ての事象が機会であり、その機会を通じてより良き変化を能動的に創出していく運動体が我々であることを理解した上で、この組織がもつ機会を十分に活かし、可能性と魅力を周囲に正確に伝えることがより強く大きく運動を推進するために必要である。

青年会議所はよく学び舎として例えられることがある。様々な機会を通して自らの学びとするところは、青年会議所について人に説明をする際の表現としても多く使われているだろう。それだけ青年会議所で学べることは多種多様にある。日々の会議や活動に加え、出向での経験はもちろんのことJCIや日本青年会議所が持っているトレーニングやセミナーも活用することで学びの幅は大きく拡がるだろう。この組織が持つ機会を40歳までという限られた時間で最大限に活用していただき、一生を変える一瞬の体験を通して、自らを地域や国をより良く導く人財へと高めていただきたい。自らの可能性を信じて果敢に挑戦し続けることで、自らを輝かせるだけでなく周囲の人たちをも、その光をもって耀かせ、その熱をもって心の火を灯すJAYCEEとなっていただきたい。

毎年、多くの新入会員に入会をしていただいている。様々な事情や環境を持つ方々が何らかのきっかけで、この鹿児島青年会議所の門を叩いてくる。新しく入会される方々は何を思いこの組織に入ることを決めたのか。どのような期待と不安を持って一歩を踏み出したのか。自らが入会する時はどのような気持ちであったのか。新しく同志となる方々にしっかりと心を寄せて迎え入れ、正しく導くことは、僅かばかりでも先に入会している者としての務めである。そして、新入会員だけでなく入会から十数年経つメンバーであっても常に青年の気概を持って卒業する最後の瞬間まで、真摯に誠実に学び成長し続けていただきたい。それこそが入会から今まで支え導いていただいた先輩方や、これまで支えていただいた方々へのご恩返しになると信じている。

会員の拡大。これはどのような組織においても大きな課題であろう。私たち青年会議所にとっても組織存続のための大きな課題であることに間違いはないが、それ以上に私たちにとっては運動そのものであるといっても過言ではない。私たちにとって会員拡大が必要でなくなる時とはどのような時であろうか。私たちの目的から言えば、それは世界中の全ての人々が理念を共有し恒久的世界平和が訪れた時である。その時が来るまで私たちは私たちの理念に共感し、共に行動していただける同志を一人でも多く増やし続けることが必要である。しかし青年会議所は終身制ではない。20歳から40歳までの限られた時間のみが現役として任期一年制のなかで様々な機会を与えられる。現役での機会を存分に活用して学び卒業した後は、同じ学び舎で過ごした同志として自らも運動に参画しつつ、後進を育て理念を共有する同志を増やしていただきたい。そのためにも卒業された方々との協力・連携体制をより強固にする必要がある。更に、既存の拡大手法だけではなく、新たな人材発掘の可能性を探り実践することで連綿と続く拡大運動を活性化させ、一人一名拡大を合言葉にメンバー全員で取り組む事業として、より強く効果的な運動へと発展させる必要がある。また、共に切磋琢磨する同志である現役会員同志は、一体どれほど分かり合えているのだろうか。鹿児島をより良く導く同志として、志を同じくしていると確信できているだろうか。組織というものは在籍する人数が増えれば増えるほど組織内部の意識・情報の共有は難しくなる。鹿児島青年会議所は日本全国で見ても人数が多いLOMではあるが、比例した意識の高さと運動の発信力を持ち合わせているか疑問に感じるときがある。今後のJC運動をより強く大きく展開するためにも、会員同志の交流を深め、絆を更に強くしていく必要があると考える。

そして、いつの日かこの鹿児島青年会議所で学び成長する同志の中から、日本青年会議所の会頭ともなれる人財が育つことを、同じ学び舎で学んだ同志として切に願う。また、青年会議所で学んだことを青年会議所の事業や活動だけでなく、家庭や会社に持ち帰り活かす努力をしていただきたい。身近な方々に自らの成長を示すことは日々支えていただいている方々への感謝の表れであり、学び得たもので人や地域に貢献することが青年会議所の運動である。この組織に溢れる全ての機会を活用し、自らを輝かせ、他者を耀かせるJAYCEEが多く育つことで、世界に誇れる鹿児島を描くことにつながると確信する。

【青年会議所は全てとつながる運動組織である】

鹿児島で青年会議所の運動が始まって60年を経過した今、私たちの行ってきた運動はどれだけ市民に浸透しているのだろうか。私たちの運動は青年会議所の名前を周知することが目的ではないが、地域や社会に良い影響を与えているのであれば、自然と認知されて当然であろう。私たちの運動は私たちの自己満足で終わっていないか、私たちの運動の目的や理念は正しく市民に伝わっているのか。私たちの活動や事業を市民に発信する際、私たちが何をするか・何をしたかよりも、何のために行うのか、地域社会に対して問題の提起と解決策の提案がなされているのかを重要視しなければならない。私たちが活動や運動を行う際は、地域社会の持つ問題や課題を中立的立場で受け止め、様々な視点から正しく分析し取り組むべき事柄を抽出する必要がある。そのためには地域社会で起こる事象を検証し、市民の声に耳を傾け常に双方向で受発信できる体制を整える必要がある。また、メディア・行政・関係各所・他団体との情報・意見交換の場を設け、常に協力・連携できる体制を整えることで私たちの運動を効果的に発信できるだけでなく、災害など有事の際には迅速な対応を取れることにつながる。更には、JCIや日本青年会議所のアワードを通して、自らの事業を検証するとともに、他LOMの事業を参考にして、より良い運動の創造へとつなげたい。

鹿児島青年会議所は2012年度より公益社団法人として鹿児島県に認められ、以降の組織の運営について留意してきた。昨年度は県からの再審査も受け、今後より一層、市民に対する運動体としても、公益社団法人という組織としても信頼を確立していかなければならない。しかしながら学び舎として会員の利益に資する事柄も必要である。そのためにも公益事業と共益事業の両立できるバランスを吟味し、学び舎であり運動体である組織として発展させていかなければならない。それが出来る組織になってこそ市民の付託に応えうる組織として一層の信頼をされるのではないだろうか。また、公益社団法人として、市民の範たる人財を育てる組織として、円滑な運営を行うことは当然ながら、より透明性・公益性の高い組織への改革を図り、所属するメンバー一人ひとりの言動も礼儀礼節を重んじ、規律正しい品格ある青年であり続けるよう、互いに切磋琢磨する雰囲気を醸成しなければならい。毎年、全ての役割が変わることで、全てのメンバーに様々な機会を新たに提供できる特色を持つ青年会議所だからこそ、常に組織内部を見直し互いに磨き合い襟を正し合うことが必要である。

青年会議所には出向という素晴らしいシステムがある。私自身、出向の経験により大きく育てられた。出向したことで、今までは想像したこともなかった経験があり、一生続く良き友との出会いがあり、考えたこともない変化が自分に訪れたのを認識し、身の回り全てが機会であることを実感した。青年会議所には様々な気付きや学びの機会があるが、出向することでその機会が何倍にも増え、その機会から得られるものは計り知れない可能性を秘めている。是非とも多くのメンバーに出向していただき、鹿児島青年会議所だけでなく様々なステージ、様々な役割に挑戦していただきたい。その中で訪れる全ての機会の一つひとつと真摯に向き合うことで想像を超えた可能性が拓けるのである。そして鹿児島青年会議所や出向で学び得たものは後進にしっかりと引き継ぎ、また互いに切磋琢磨し発展・成長の渦を大きく育てることで、より強く私たちの運動を推進できるのである。

そもそも、鹿児島青年会議所は独立した一つの公益法人ではあるが、宮崎青年会議所をスポンサーとして、日本青年会議所から57番目の認証を受けて設立された、JCIの中のNOMを構成するLOMである。私たちは独立した法人格を持つ組織であっても、日本青年会議所、JCIのネットワークの中に存在しているからこそ、多くの同志とつながっており、出向という好機に恵まれ、また、過去には鹿児島ブロック大会、九州地区大会、全国会員大会、国際アカデミーなどの大きな事業を主管させていただいた。そのような経験もあるからこそ、JCI ASPACという新たな機会にも挑戦できるのである。これまで様々な機会が巡ってくる中、多くの先輩方をはじめとするメンバーが出向を通して様々なステージで重要な務めを担い鹿児島青年会議所への信用を確立してきた。そして60年の節目を越えた61年目の本年度、日本青年会議所の会務担当常任理事、JCI副会頭、JCI APDC開発担当役員を輩出し、鹿児島青年会議所は未知のステージへの一歩を踏み出した。彼らを始め各ステージで重要な務めを担う出向者が全力で活躍できるよう、支え合える多くの出向者を輩出することはもちろん、組織としても全力で支援をしていきたい。と同時に出向されるメンバーは得た学びをLOMのメンバーや組織に活かしていただきたい。この成長のスパイラルを作ることが必ず鹿児島青年会議所の成長・発展につながるのである。

そして今後、JCI ASPACの誘致を目指している鹿児島青年会議所は、開催までの数年間、今まで以上にJCI、日本青年会議所、九州地区協議会、鹿児島ブロック協議会との関係を強固なものとするため、出向者の輩出はもとより各種会議・大会に積極的に参画し、また、兄弟JCである山口青年会議所、中条青年会議所や薩長土肥の会など各地青年会議所との友好・協力・連携体制の強化を図る必要がある。私たち鹿児島青年会議所に所属するメンバー一人ひとりが鹿児島青年会議所そのものであり、一人ひとりが代表であると自覚し、各地青年会議所、鹿児島ブロック、九州地区、日本、アジア太平洋地域、JCIの多くのメンバーとのつながりを深めることが必ず、JCI ASPAC鹿児島大会の誘致につながるものと確信する。そして更には大会の成功と、その先に見据える『世界に誇れる鹿児島の創造』につながるのである。

【結びに。私たちはJAYCEEである】

鹿児島の先人に島津日新公という方がいらっしゃった。日新公は領内の武士の教育のために、武士として守るべき規範を説いた47首の「いろは歌」を作られたが、その「いろは歌」は人の生きる道を示すものとされ領民にも行きわたり、後世には郷中教育の基本書にもなった。その47首の最初の歌には、こう説かれている。

いにしえの道を聞きても唱えても 我が行いにせずばかいなし

直訳すれば「昔の賢人の教えや学問も口に唱えるだけで、実行しなければ役に立たない。」と読める。私たち青年会議所は運動体である。私たちが行動しなければ運動は止まってしまう。私たちが一日休めば明るい豊かな社会の実現が一日遅れる。私たちの活動がより良い未来を創るのである。過去から受け継いだ"今"、未来から預かった"今"を生かされている私たちが、より良い未来を次世代へ引き継いでいかなければならない。

思い出して欲しい、私たちの運動は100年前の23歳の一人の青年と数名の仲間とのアイディアから始まり、変化・発展を続けて、世界中に拡がり、今、私たちがその志を受け継いでいるJAYCEEであることを。

信じて欲しい、一人の情熱と行動が世界を変える力を持っていることを。そして、その底知れぬ可能性が自らにも秘められていることを。

今こそ新たなる黎明の時。私たち一人ひとりが未来を創るのだ。全てとのつながりの中で生かされていることに感謝して、共に世界に誇れる鹿児島を描こう。

より良い未来を夢見て希望を語り合おう。全ての可能性と幸せは、私たちの手の中にある。

公益社団法人鹿児島青年会議所 第61代理事長 山田拓也

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