理事長所信 : 鹿児島JCについて

公益社団法人鹿児島青年会議所 第65代理事長 江口まさよ

『錦江湾にどっしりと佇む雄大な桜島』鹿児島を象徴する、私の心安らぐ景色だ。

今なお活発に噴火を続ける桜島の下、60万の人々の営みがある。見渡せば、花と緑が溢れ、24時間行き来するフェリーに、街中をゆったりと進む路面電車。近代国家の礎を築いた薩摩の偉人と風土。時折字幕が必要な鹿児島弁を見事に操る温厚な人々。世界遺産や伝統文化に触れ、温泉でリフレッシュして多くの特産品に舌鼓。鹿児島を訪れた人は魅了され、五感を刺激され、驚きと感動に包まれるだろう。我々にとっては当たり前であり、目新しさを感じることもなく見過ごされ、活かされていない素晴らしさが鹿児島にはまだまだあるのではないか。そんな魅力を掘り起こし、さらに魅力的で世界に誇れる鹿児島を、私たちの手で描き出していけたらどんなに楽しいことだろう。ワクワクする気持ちを持ち寄って、全員でチャレンジ出来たら、どんなイノベーションが起こるだろうと、考えるだけで心が弾む。

シンクタンクの調査で鹿児島市は『成長可能性都市』2位という結果が発表された。産業創発力は弱くイノベーションを促す取り組みも少ないが、都市の魅力は高く、住民のQOLも高いという結果であった。南の玄関口として地理的優位性を活かし、飛行機や新幹線を利用した観光客も年々増加している。鹿児島港は国際クルーズ拠点に選ばれ、クルーズ船の更なる寄港が見込まれている。しかし、住民にとって暮らしやすいまちであっても、外国人観光客にとって観光しやすく親切なまちとはまだまだ言えない。そして、若者にとって魅力的なまちとも言い難い。我々は、人口減少と若者の流出という大きな課題に直面していることを忘れてはならない。

【百年樹人】

ASPAC開催を通じて再認識した組織力と鹿児島の将来を担う多くの人財を、まちの発展へとつなげていかなくてはならない。ASPACで得た貴重な経験を今後のJC活動に活かしつなげていくことが大切だ。組織やまちをつくるのが人なれば、すべてはひとづくりから始まる。少子高齢化と人口減少という、経験したことのない時代を生き抜くために、利他の精神を持ち、優しくも逞しいひとづくりの実践が不可欠である。若者の流出が課題となっている今、鹿児島の未来を担う若い世代を育て、鹿児島の将来像について共に考え、ずっと住み続けたい、帰ってきたいまち鹿児島へと発展する行動を起こさねばならない。組織においては、研修のみならずJCの活動のすべてがひとづくりの実践であると認識してほしい。まず我々が優しくも逞しい魅力的な人となり周囲の人を惹きつけ、より良い鹿児島の実現に向け共に歩む仲間を増やす必要がある。そして、ひとを育て、まちを輝かせていかなけ ればならない。

【無限の可能性とJCの価値】

会員の減少が課題となっている今、メンバーが自らの意志で積極的に活動できる、心から誇れる鹿児島JCを自分たちの手で創り上げることが必要である。そのためにはJCが本来あるべき姿やJCの魅力を改めて確認し、一人ひとりが認識する必要がある。前例にとらわれず、自分で限界を決めなければ、JCには無限の可能性がある。メンバーシップで運営されるから何ものにも左右されず、自由な発想で自分たちの信念を貫いた活動が出来る。自らの責任で考え積極的に行動する。まさにJCの本質である。より良い鹿児島に向かって議論を尽くし、無私の境地で取り組むからこそ、互いに磨かれあい成長し、信頼が生まれる。悩み苦しんだ末の楽しさ、溢れる笑顔。事業を終えたとき、自然と頬を伝う涙。自己を成長させ、かけがえのない友情を手にし、仲間と共に心を震わす感動を、皆にも体感してほしい。

【魅力的な鹿児島の創造】

先にも述べたように、鹿児島には多くの魅力的な地域資源がある。しかし、活かしきれず、魅力が伝わっていなくては意味がない。2020年にはかごしま国体も予定され、鹿児島を訪れる人はさらに増えることが予想される。ASPAC開催によって見えた課題解消や現状分析と共に、より多くの人々が鹿児島の魅力に触れる機会を創出し、まちづくりへと昇華させなくてはならない。そのために、我々は率先して行動することが求められている。本気で行動する人からは感動が生まれる。その感動や鹿児島の魅力をより多くの人々へ発信することが出来れば、触れた人の心は動かされ、意識の変革へとつながるだろう。多種多様な価値観を受け入れ、人々を包み込み、皆にとって魅力的な鹿児島へと発展を遂げることで、世界に誇れる鹿児島の実現につなげたい。

【これからの鹿児島JC】

鹿児島JCは創立65周年を迎える。次なる100年を見据えて、鹿児島JCがこれから目指すべき方向性や、まちの将来像をメンバー全員で描き共有しなくてはならない。創設から64年の足跡を振り返り、鹿児島に真正面から向き合ってきた64年に思いを馳せ、この先の未来に向けて我々が為すべきことは何なのかを全員で真剣に考え、人々をワクワクさせられるような活動の柱をメンバー全員で作り上げる。心を合わせ、ひとつになって取り組めば出来ないことは何もないのだから。将来も地域に必要とされる鹿児島JCであるために、存分に己を磨き、失敗を恐れず果敢に挑戦し、まちと共に成長していこう。

いつも時代を切り拓いてきたのは勇気ある若者の情熱と行動だったことは、薩摩の歴史が物語っている。私心を捨て果敢に挑戦し、美しく生きる。今日の行動が未来の結果へとつながることを自覚し、流されることなく信念を持って、恥じることのない生き方をしよう。

そして、今こそ大きな一歩を踏み出そう。未来を変えるために。

公益社団法人鹿児島青年会議所第65代理事長  江口まさよ