今を刻め
「泣こかい跳ぼかい、泣こよかひっ跳べ」困難に出会ったときは、あれこれ考えずにとにかく行動しろという意味ですが、似た意味の諺に「善は急げ」というものがあります。目の前にあるものが善なのか困難なのかの違いはあるものの、どちらもまずは行動を起こすべきだということを表しています。私はこの二つの言葉が好きで、とにかく行動に移すよう心掛けてきました。思い返すと小学二年生の時に「まず挑戦してみようはじめはうまくいかなくてもコツコツ頑張ればわかるようになる出来るようになる」というクラスの標語を朝夕唱えていたことでその意識が根付き、今なお実践しているからだと思います。もちろん青年会議所においてもその意識を持ち続け常に行動を起こしてきました。その中で転機となったタイミングをいくつか例にあげると
ある年の理事長立候補者に当選祝いの連絡をしたとき
とあるカフェでそれまで話したことがない先輩に偶然出会い挨拶したとき
全国大会の帰りの飛行機が欠航となり先輩と語り明かしたとき
ある日思いもよらない内容の電話に二つ返事で答えたとき
この他にもその時の今と向き合い幾度となくひっ跳んできたから今の私があります。
2025年の鹿児島青年会議所はこれまでの70年を振り返って今何が出来るのか、
新たな地域ビジョン「集いひらくまち鹿児島」を掲げ、未来を見据えて今何をすべきなのか。
修練してこそ
青年会議所は、リーダシップの開発と成長の機会を提供することを使命としている通り、あらゆる場面でその機会が溢れています。委員長を始めとする役割を受ける機会、鹿児島青年会議所以外へ出向する機会、研修、セミナー、会議、各種大会において運営側として或いは参加者として関わる機会など例を挙げるときりがありません。そんな中自らつかみに行く機会、ふとしたきっかけで訪れる機会、時には想像していない角度からくる機会もあるでしょう。様々な機会がある中それに挑戦するか否かは自分次第です。仕事やプライベート、それぞれの生活がある中でそれを犠牲にしてまでとは言いません。それでも40歳までの限られた今だからこそ自分自身の時間をほんの少し削ってこのまちの為、そして未来の自分の為に多少の背伸びをしてみましょう。数多ある機会のどれも人数や決断までの期間という意味では限りがあります。その限りある機会に対して自ら積極的に挑戦すると同時に、挑戦するメンバーを称賛し互いに応援しあう組織であってほしいと切に願います。
事業は人なり
私たちは、明るい豊かな社会の実現を理想とする20歳から40歳までの青年団体です。メンバーがいるからあらゆる事業を行うことが出来、一人ひとりが社会によい変化を起こすことが出来るよう学び続けるからこそ運動が広がってきます。メンバーは例外なく40歳で卒会となり、毎年メンバーが入れ替わることで組織に常に新しい風が吹いていますが、同時に会員拡大活動を行わなければ組織は衰退の一途を辿ることになります。当たり前のように隣にいるメンバーの多くは、誰かしらからの声がけにより青年会議所に大なり小なり興味を持ち、最終的には自らの意思で入会しました。入会前の私たちのようにこのまちをよくしたいと思っている若者が、青年会議所の存在をその活動や運動を知らない若者がこのまちにはまだまだいるはずです。未来に繋がる会員拡大を行うために、メンバー一人ひとりが明るい豊かな社会の実現を目指して活動していることに誇りを持ち、時代に即した手段を活用して発信し続け、一人でも多くの市民に私たちのことを認識してもらうことがその第一歩となります。また、メンバー同士が相互理解し、切磋琢磨し、同心協力できる環境づくりにも努めなければいけません。接触回数が増えるほど好印象になるという心理現象を単純接触効果と言いますが、青年会議所においても同じだと思います。活動すればするほど、共に過ごす時間が長くなるほど青年会議所のことが好きになります。40歳までの限られた期間この沼にハマってもがき続けましょう。
迷ったらおもしろいほうに
2040年には鹿児島市の人口は52万人を下回り、65歳以上の割合が35%を超えると試算されています。まちににぎわいをもたらすためには、若い世代の人口流出を減らし、UIターンなどの移住者を増やす必要があることは言うまでもありません。このまちがおもしろければ、私たちがこのまちをおもしろくし、それを発信し続けられれば、若い世代に郷土愛が生まれ、このまちに住みたいという意識が醸成されるのではないでしょうか。鹿児島青年会議所は創立以来その時代の社会課題を解決するべくメンバーが議論を重ね、様々なパートナーと連携し、行政や市民を巻き込んで必死に走り回り頭にも体にも汗をかいてきました。これからもそうあり続けなければいけません。しかし、すでに知られているモノやコトに注目して、どこかで見たことがあるようなことをやってもおもしろくありません。まだ見ぬ何かを見つけて、青年会議所ならではの若さとネットワークを駆使して磨き、あらゆる手段を使って多くの人に実際に見せて体験させる。時には青年会議所が何か変なことやっていると言われるかもしれません。それでもその変なことがおもしろければ、誰かの笑顔につながるなら全力で取り組みましょう。季節外れの桜を照らすというのもその変なことの一つに数えられます。漫然と継続するのではなく、このまちのためになっているのか、市民に必要とされる事業なのか、人が集まる仕組みはある程度出来上がっているので、そこで何を伝え何を残すのか、そのためにもっとおもしろく出来ないのか改めて向き合う必要があります。
郷土に学び、国際に生かす
鹿児島青年会議所はおぎおんさぁにおいて一番神輿をお預かりしています。私個人としてはおぎおんさぁで一番神輿を担がせていただけることは光栄なことであり、これまで40年以上にわたって守り続けた伝統を引き継ぎ、次代に繋ぐことはとても重要なことだと思います。しかし、青年会議所は地域課題を解決する団体ですので、その時の地域課題に合わせて変革しなければいけません。地域が今何を求めているのか、何のために鹿児島青年会議所が一番神輿を担ぐのか、継続事業だから、これまでも担いできたから。もし仮に本年鹿児島青年会議所が一番神輿を担ぐことが出来なかったとしても、おそらくおぎおんさぁ自体は滞りなく行われ、まちは賑わい、市民の歓声や笑顔はこれまでと変わらないと思います。だからこそ鹿児島青年会議所が一番神輿を担ぐ意義を今一度見つめなおした上で、改めてメンバー一丸となって一番神輿を担ぐことが出来れば地域の為になり、私たち自身がより一層郷土愛を深めることが出来きます。また、郷土を愛した上で世界に目を向けることは、鹿児島の国際化に向けてとても重要な要素となります。私たち一人ひとりが国籍、文化、価値観、宗教の違いなどにかかわらず、お互いを尊重し合い、多様性を尊重する意識を持ち、その感覚を磨き続けなければいけません。鹿児島青年会議所ではその最たる例が姉妹JCである大韓民国利川青年会議所との交流です。本年は、2019年を最後に途絶えていたホームステイ事業を再開します。昨年私は以前ホームステイ事業に参加した家族が再会する場に同席しました。当時一緒に過ごした期間はほんの数日でしたが、10年の時を経ても国を超えた友情が今なお美しくありました。親元を離れ言葉も文化も違う環境で過ごす日々で培う経験は、大なり小なりその後の人生に影響を与えることでしょう。このホームステイに勇気をもって手をあげる子供たちを全力でサポートして鹿児島の国際化の種を撒き大きく育てましょう。
未来のために
「想像力は知識よりも重要である。知識に限界があるが為に、想像力が世界をとりまき、発展を刺激しつづけ、進歩に息を吹き込みつづけているのだから」これはアインシュタインの言葉です。アインシュタインほどの知識があることを前提に生まれた言葉なので、私たち個人としては知識を身に付けることの方が重要かもしれません。しかし鹿児島青年会議所としてこれまで70年に渡り受け継いできた知識は計りしれないものがあります。だからこそ青年としての自由な発想で、明るい豊かな鹿児島の未来を想像しましょう。持続可能な開発と先進技術の導入により魅力的な未来都市となっているこのまちを、再生可能エネルギーの普及によりクリーンなエネルギーを源に暮らすこのまちを、まだ見ぬ技術を活かして豊かな自然と歴史文化をあらゆる場所から体験でき世界との距離が縮まったこのまちを、そしてこのまちで暮らす子供たちの未来を想像すればするほどワクワクしてきませんか。
終わりに
学生時代に愛読していた本に次の一文がありました。
Never put off till tomorrow what you can do today.
今日できることを明日に延ばすな。
600もの英文が綴られた一冊の本の中で唯一今でも頭に残っているこの一文を胸に。
当たり前に来ると思っている明日は来ないかもしれない、だから今日やりましょう!
思い描いた未来は来ないかもしれない、それでも今やりましょう!!
明日このまちに笑顔を一つでも増やすために、未来の鹿児島に笑顔を増やし続けるために、集いひらくまち鹿児島の実現のために。
今を刻め!